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Toggle過去チャートで検証・練習する意義
ForexTester6(以下、FT6)は、過去のチャートのデータを利用して、トレードの検証・練習ができるソフトであり、このようなことができるソフトとしては、最も有名なものである。
もちろん、現在進行形のチャートでトレードしなければ、デモトレードと同様に利益を出すことはできない。一方で、リアル口座でトレードしていたら、損失になっていたようなトレードであっても、FT6で試すなら実際の損失は生じない。つまり、FT6で実現すべきなのは、自分自身の1回1回のトレードではなくて、それらを積み重ねた結果の「期待値」「勝率」「RR比(リスク・リワード比率)」を高めることなのである。
FT6の画面例
FT6の画面表示設定は、なるべく自身のMT5などのリアル口座の取引ソフトと同様にするべきである。
また、チャート設定は凡そMT5と同様だが、違う点もあるので、あまりFT6の動作が重くなりすぎないように工夫する必要もある。

FT6で行うべきこと・確かめるべきこと
FT6もある種のツール(道具)であるため、どう使うかというビジョンを持つことが重要である。
私がFT6で行うべきこと、確かめるべきことと定義しているのは、「トレードの言語化」と「勝ち・負けパターンの把握をして、勝ち癖をつけること」である。
以下、上記2点について具体的に説明する。
1.トレードの言語化
その場の思い付きや気分トレードをして、勝ったとしてもそれは次のトレードに生かされないし、負けてしまった場合は精神的にさらに悪い状態になってしまう。
そのため、どのような考え方(相場環境認識、値動きの想定)で、ポジションを持ったのか、またはポジションを決裁したのか、ということを言語化して記録に残しておくことは、とても有意義である。
もちろん、勝ちトレードもあれば、負けトレードもあるだろう。そして、勝ちトレードを振り返るよりも、負けトレードを振り返るほうが、よほど精神的にエネルギーを要することである。
しかし、だからといって、トレードを感覚や感情で行っていては、何の前進もなく、寧ろ後退に繋がるだけである。そのため、どれだけ自分の負の部分を直視することになるからと言って、トレードの言語化を避けてはいけないのである。
幸い、FT6にはトレードを言語化するための便利な機能があり、それは「ノート機能」である。単にテキストをチャート上に保存しておける機能といえばそれまでだが、私にとってはこの機能を次のように位置付けている。
- 前日のトレードの振り返り(前日の値動き想定は、前日時点の想定と比較してどうだったのか)
- 当日のトレードの方針(当日時点での相場環境認識、値動き想定、トレード予定)
このような、2種類の「ノート」を、毎営業日NYクローズ時点で記録するようにすることで、自分の相場環境認識やトレードの精度を上げていく訓練をする。
2.勝ち・負けパターンの把握&勝ち癖をつける
自分がどのような相場環境において、勝ちトレードが多くなり、負けトレードを減らせるのか、またその反対に、どのようか相場環境であれば、自分は勝ちが減り、負けが増えるのか、ということを把握しておくことは、トレードで生き残るためにとても重要なことである。
上記の言語化とも一部重なるが、FT6を用いれば、抽象的な理屈に加えて、実際どのようなチャート環境であれば、どのような結果になりやすいのか、ということを具体的に把握することができる。そして、FT6であれば、実際に損を出すこともなく自分の弱いところと向き合うことができるので、経済的にも精神衛生的にもよい。
そして、勝ちパターンを把握し、また負けパターンを修正することで、より勝ちやすく負けにくいトレーダーになることができる。こうした場面においても、「ノート機能」をはじめとした、言語化が重要であることは言うまでもない。
さらに、FT6ではチャートの巻き戻し機能もある。これを活用し、自分が勝てるときのチャートの実際の値動きを、頭に焼き付けることで、勝ち癖をつけ、よりポジティブな気持ちで相場に挑むことができるようになる。
このように、1つ1つの機能を、目的をもって使用することで、トレードの質を向上させ、結果として強いトレーダーになることができるのである。