大まかな展開

続落の中、大方の期待通りに140円割れとなったが、週後半は反発が続き、またポジティブ・サプライズなニュースによって急騰することもあった。

しかし、一本調子で上げるという訳でもなく、押しも入ったうえでの上昇だったため、ただ買っていけば利が乗るという相場でもなかった。

142円割れではじまったドル円は、139円後半まで下落してから、急騰し144円に一瞬タッチしてから、143円台後半で週引けとなった。

1時間足チャート

チャートの印象・感想

移動平均(20,75,200SMA)

移動平均3本の中では、75SMAが最もわかりやすくワークしていた。

なぜならば、週の中盤(水曜日の早朝)に上抜けるまで、ドル円の下落トレンドにおける高値の目安になっていたからである。

他方で、一度上抜けてしまったら、もはや割り込むことはなく、下落しても75SMAの手前での反発(押し目買い)となった。

 

また、20SMAについては、下落トレンドの時は、エントリーポイントの目印とはなっていなかったが、週の中盤に上昇トレンドになってからは、押し目買いの目印として、ワークしていたように見える。

確かに、絶対ということはなく、例えば木曜日(24日)にじり安となっていたとき、右上がりの20SMAで反発せずに、割り込み、その後上抜いてから、チャートパターン(ダブルボトム)を形成してから上昇していった。

そのため、ここからいえることは、下落トレンドでワークしていた、移動平均線の見方が、上昇トレンドでは通用しなかったり、その逆もあり、また絶対ではない、ということである。

 

200SMAについては、まだはっきりとしたことは、自分の中にはない。

ただ、明確な押しや戻りポイントとしてワークするというよりは、その向きに着目して、トレンドの方向性や加速・減速の可能性を考えるツールのようには見える。

ボリンジャーバンド(20,2,3)

市場が動いているときは、あまりボリンジャーバンドは正直見ていなかった。

あえていえば、ボリンジャーバンドの片側まで相場が伸びて、その後急反発して、もう片側のバンドでバンドウォークをし始める、という例を1時間足に加えて、5分足でもよく見た気がする。

そういう場合は、大体急落からの、急回復、そして断続的な上昇、というケースが多く、その反対はあまり見なかった。

また、反対側のバンドの収縮がトレンドの弱まりを表すという点も知ってはいたが、そういうオシレーター的な考え方は、後述のRSIで代用していた。

RSI(14,14)

RSIは、確かに30や70といったポイントも見ていたが、加えて50より上か下か、というトレンドを表す(とされている)部分をよく見ていた。

とりわけ、下落は急に上昇になることもあり得、戻り売りが失敗するケースもある一方で、上昇した後の下落を押し目として拾う場合、RSIの50はかなりはっきりとした目安となった。

また、RSIに期間14の移動平均も表示しているが、これがRSI自体のトレンド方向を把握するのに、大変助かっている。

とりわけ、売られすぎ圏内からRSIが移動平均を上抜いて上昇する場合は、チャートでも大きな反発となることが結構あり、押し目買いのために非常に有用だった。

他方で、買われすぎからの反落を狙う場合には、必ずしもワークしたとはいいがたい。

例えば、水曜日早朝の急騰のとき、RSIは70を超えた後、50まで反落し、チャートも下落したので、オシレーター指標としてワークしたといえるが、その後金曜日にかけてのじり高で70を超えたときに逆張りしても、チャートの押しはほとんどなかった。

そのため、ほかのテクニカル指標や、水平線などのライン分析(波のカウント)と組み合わせなければ、とりわけ売りの逆張りは困難である、と思った。

時間帯

東京時間に大きく動いた後、ロンドン時間には調整が入り、NY時間にかけてまたトレンドが出る、ということが多かった。

そのため、時間帯に応じてトレンドの有無の判断を変えていく必要があった。

その他

下落のニュース他にする反応よりも、上昇のニュースに対する反応のほうが値幅として実際大きかったことから、必ずしもロングの買い下がりが多い、典型的な下落トレンドとは違い、ショートポジションがたまりやすく、結果、反転・急騰リスクのある相場ではなかったか。