大まかな展開

28日(月)は、東京時間・欧州時間は高値圏レンジであったが、NY時間に一方的に下落した。

下落幅は、139円台からの上昇とみた場合には、ちょうど50%くらいであった。

29日(火)は、東京時間・欧州時間ともに下押ししながら緩やかな上昇相場となったが、NY時間にほぼ全戻しとなる下落となった。

30日(水)は、東京時間から欧州時間にかけて上昇し、1時間足のダブルボトム形状が完成した。NY時間前半には下落したものの、ダブルボトムのネックライン付近では下髭となり、ほぼ高値付近で引けた。

1日(木)は、日本銀行の金融政策決定会合の結果発表と、日銀総裁記者会見があったこともあり、東京時間に急騰した。欧州時間には、いったん下押しする場面もあったものの、結局高値圏レンジとなった。NY時間中盤には、そのレンジを上抜けて、145円後半間際まで上昇した。

2日(金)は、東京時間前半に146円間際まで上昇してからは、ジリ下げとなり、欧州時間になると、高値圏レンジを下抜けて下落が加速した。NY時間は、米国雇用時計の発表があり、予想よりもつよう結果であったものの、すぐに下落し、1時間程度もみあってから、急落し、144円を割り込んだ。しかし、その後は、反発し、米雇用時計発表前の水準まで急騰してから、高値圏レンジとなり、NY時間後半にはそのレンジを上抜けて、145円台を回復する場面もあった。

1時間足チャート

チャートの印象・感想

移動平均(20,75,200SMA)

1時間足75SMAは、先週までの下落相場では戻り売りを示す絶好のポイントであった。一方で、今週は75SMAまで上昇が緩んで押すことがほとんどなかった。そのため、押し目買いをする場合には、別の指標が必要となった。

1時間足200SMAは、トレードをするポイントというよりも、1時間足でのトレンドの有無を示す指標として機能した。これは、先週までの断続的な下落トレンドが、急激なV字回復となる可能性は低いということを、週初めから示していたといえる。また、ローソク足が1時間足200SMAの上にいる時間が長くなり、上向きになり始めたタイミングでは、上昇の示唆(ショートポジションの積み上がり)が強くなっていたといえる。

ボリンジャーバンド(20,2,3)

今週は、ボリンジャーバンドのうまい活用が見えなかった。

あえて言えば、片側にバンドウォークしたとき、もう片側に戻ってきたときは、押し目買い戻り売りの目安になったということか。

RSI(14,14)

今週最もトレンドの判断や、売買タイミングの判断に役立ったのは、RSIの50ラインであった。

今週は、トレンドが上昇も下落もはっきりしていた時間が長かったこともあり、例えば70や30を超えた強いトレンドが出た場合には、はじめて50ラインまで下がってきたときに押し目買い・戻り売りをすることで利益を伸ばすことができた。

また、RSIに移動平均をつけたことで、GCやDC(ゴールデンクロスやデットクロス)を生かして、50付近で反発したタイミングを判断することが、より容易になった。

時間帯

今週は、東京時間に下落トレンドが出ることはなかった。

欧州時間は、いったん下げる場面は出るが、その後は戻され、レンジ又は上昇トレンドになることが多かった。

※例外は、金曜日(米雇用統計の日)で、5分足の下落チャネルを下抜けて、下落トレンドが出た。

大きく下落したのは、すべてNY時間だった。

しかし、常に下げ続けるわけではなく、後半にかけて(23時前後のことが多かった)反発することもあった。

※金曜日(米雇用統計の日)には、その傾向がより顕著になり、指標発表(21時30分)から23時にかけて下落したが、それ以降は急騰し、高値圏レンジを挟んで上昇を続けた。

COT

円ロングは、今年の最大水準で横ばいである。

今週の日銀(据え置き)と、FOMC(据え置き予想)によって、円ロングの手じまいが起こるか、それによって押しの少ない上昇になるかどうかが、注目される。

その他

今回から、チャートにレンジを示す四角形や、水平線、トレンドライン、フィボナッチなども導入した。

これをみると、139円台からの上昇でみた38.2戻し、30日の押し目からみた50.0戻し、また1時間足75SMAの価格帯が接近しており、結果米雇用統計による下落から上昇に転換する押し目となった。